学校図書館支援センターとは、地域内の学校図書館の運営や活用、学校図書館間の連携 などに対する支援を目的として,教育委員会事務局または公共図書館内に設けられた部局 や施設を指す。学校図書館支援センターは、小中学校における図書館活用教育に一定の役 割を果たしている。
本研究では、学校図書館支援センターが学校図書館と公共図書館の連携協力を効果的に 推し進めていくためにどのような支援をしているか、特に人的ネットワークにおいて異な る職員間の連絡・調整・助言がどのように効果的に行なわれているのかについて調査を行 う。調査対象は、学校図書館支援センター設置や学校図書館活用教育が盛んである島根県 とする。島根県の学校図書館と公共図書館の職員間の協働の先進的な事例や課題を調査す ることによって、島根県の学校図書館活用教育や協働における地域性を明らかにし、今後 学校図書館支援センターを活用していくために重要な論点を明らかにしたい。
調査方法は、学校図書館支援センターの実態に関する文献調査と島根県内の学校図書館 支援センターを設置している自治体と廃止した自治体にインタビュー調査である。
文献調査とインタビュー調査の結果、学校図書館支援センターを設置している松江市と 出雲市は、学校図書館と公共図書館の連携において配送システムや研修等を実施している。 また、松江市は学校図書館支援センターの担当課を教育委員会学校教育課にしたことで、 より連携がスムーズになった。また、学校図書館支援センターを継続して設置していくた めには、市長や教育長の理解も必要であることが明らかになった。従って、学校図書館支 援センターの継続には“人”が重要であると考えられる。一方で、川本町は学校図書館支 援センターを廃止したものの、2016年現在も、連携を図っていることが分かった。
「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」において、“学校図書館は、読書指導 の場としての機能も備えていることから、子どもが質の高い読書活動を行う機会を提供す る場所となり得る。このため、図書館と学校図書館が連携・協力することが重要である。 図書館は、学校図書館との連携・協力体制を強化し、団体貸出や相互貸借を行うとともに、 図書館職員が学校訪問し読み聞かせを行うなどの取組を積極的に行うよう努める。”とある。
学校図書館支援センターは、協働をスムーズに行い、その活動を進展させていく上で重 大な役割を果たしている。学校図書館支援センターを設置し、よりよい協働を図ろうとす る際には、配送システム等だけではなく、担当課などの“人”を重視することが重要であ る。また、学校図書館支援センターは、自治体の特性に応じたありかたが必要であるとい える。
(指導教員 逸村裕)